臥薪嘗胆
昨日に引き続きもうひとつ昔話を…
今はもう無くなってしまったのだが、家のうらに「バイキチョン」というじっちゃんとばっちゃんがやってる雑貨店があった。
俺は当時小学生だった弟に「コーラ買ってこい。」と金を渡し、そこへお使いにやった。しばらくして弟はホームサイズのコーラを2本買ってきた。
1本を受け取り栓を抜いてゴクゴク飲んでいると、突然弟の叫び声が「やったー、50円当った~!」。
その頃は王冠の裏にグレーのビニールが貼ってあり、それをめくると当りには(¥50)とか金額が書いてあって、お店で現金と交換できたのだ。 「よし、25円づつ分けよう。」と俺が言うと、「いやだ、これは僕のものだ!」と拒む弟。
ちょっとムカッときた俺は「だいたい俺が奢ってやったコーラだろ、それにそっちの方を俺が飲んだかも知れないんだ。」と強く要求すると、「でも買って来たのは僕だから、僕のもんだ。」と一向に譲らない。
「半分よこせ!」「いやだ」とコーラの酸も抜ける程言い合った末に、俺は「おぼえてろよー!」と吐き捨てこの場は諦めた。
ところが仕返しのチャンスは以外にも早く訪れた、俺が飲んだコーラの王冠をめくってみるとそこには(¥1,000)の文字が燦然と輝いているではないか。
「うぉーやった~!!!、1000円当たりだ~!!!」小躍りする俺の横に呆然と立っている弟。
先ほどの言い争いが立場を逆にして再び復活。
(弟)「半分ちょうだい」
(兄)「ふざけるな」
(弟)「僕が買って来たのに」
(兄)「俺が金を出した」
(弟)「25円あげるから」
(兄)「そんな、はした金いるか」
(弟)「・・・(ToT)」
ついには泣き出してしまった弟。 そんな弟に俺は、「人間、欲にかられるとこうなるのさ。」と利いた風なことをぬかし、「バイキチョン」に出かけた。
「おば~、買お~う。」
--「おばーは売ってないよ。」(爺談)--